タイトル |
デス・スウィーパー DEATHSWEEPER |
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作者名 |
きたがわ翔 |
出版社 |
角川書店 |
既刊数 |
全5巻 |
個人的おすすめ度 |
★★ |
あらすじ |
清掃人(スウィーパーズ)。それは死体のあった部屋を掃除し、
遺品を処理する仕事。
兄の自殺現場に現れた美貌の清掃人・玲児の後を追い、同じ仕事に就く裕行。
だが、訪れる現場はどれも凄惨なものだった・・・。
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1巻 初版 2007年12月26日
岡崎裕行は、大学生。母子家庭で育ち、優秀で医大に通っている兄がいた。
裕行は、特に夢も希望も持たずに、ただ毎日を面白おかしく過ごしていた。
そんな時に、なぜか大学にも行かなくなり引き篭もってしまった兄から、
「そろそろ死のうと思うんだ・・・」と告白されるが、
あまり真剣に受け止めずに済ませてしまった。
そして1ヵ月後・・・再び訪れた兄の部屋から異臭が・・・
そして変わり果てた姿になった兄の腐乱死体の前で身動きが取れなくなっていた。
そこに現れたのが、恐ろしく端正な顔立ちの青年・三輪玲児であった。
彼は、“スウィーパーズ”という清掃・遺品整理会社の社員。
凄惨な部屋を淡々と片付けていく玲児。
今までの刹那的で現実感のない生活感から、
いきなり真実・・・リアルを突きつけられた裕行。
まだ兄の死をリアルとして受け止められない裕行は・・・
スウィーパーズの会社の扉を叩く。
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2巻 初版 2008年03月05日
裕行は様々なケースの死を、仕事を通して経験していく。
最初は、気になっていただけの玲児の存在が、
日々自分の中で大きくなっていくのを感じていた。
そして、ある日の依頼に、玲児は表情を変え、会社に嘘をついて依頼主の元へ。
玲児が気になる裕行は隠れてついていってしまう。
そして依頼主に言われた部屋から見つかった地下室へ入る玲児。
地下室には大量の動物の死骸が。
玲児は人間のどんな姿でも平気だが、
なぜか猫の死骸の前では気を失うくらいのショック症状を起こす。
倒れてしまった玲児を助けるため、裕行は地下室へ。
そこに地震が起こり・・・地下室の出口が塞がれてしまう。 |
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3巻 初版2008年07月05日
地下室から脱出できたが、待っていたのは、精神錯乱状態の家主。
何とか危機を切り抜け、また同じような現場で繰り返し仕事をこなす日々。
裕行は、母親の様子の異変に気がつく。
母も優秀で自慢であった兄の死を受け止められず、
「生きていると思えばいい」と、兄の分の食事まで準備するようになる。
ある日、会社に「今から自殺しようと思う」との電話が入る。
その電話の主はとてもかわいい若い女性・柚希だった。
玲児の「深入りするな」との忠告に従わず、裕行は柚希と付き合い始める。
玲児の忠告の通り、柚希に監禁される裕行。
そしてマイナス思考に洗脳されてしまう。 |
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4巻 初版 2008年12月05日
2人で心中をするために樹海に向かう裕行と柚希。
そこで自殺体を見て、我に返る2人。
しかし、樹海の中で出口も見つけられず、さまよう。
柚希とはぐれてしまった裕行の前に現れたのは、警察と玲児だった。
玲児から、柚希の事を聞かされ、愕然とする裕行。
裕行は母親とも正面から向き合い、母も正気に戻る。
そんな時に自殺者の遺品整理の依頼が来た。
その自殺者はスウィーパーズの山本の先輩だった。
山本は、突然死をリアルに感じ、スウィーパーズを去っていった翌日に、
交通事故にあい、死んでしまう。
葬儀後、その遺体を運び出したのは、山本の妹の梓だった。
山本の遺体の損傷を修復する技術者・エンバーマーの金子から、
梓達が“バタフライ・メモリーズ”という宗教団体だと聞いた裕行達。
その後、玲児はB・メモリーズの総本部に1人で向かう。 |
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5巻 初版 2009年03月05日
裕行は高校時代の先輩・新井と再会。 生きづらさを感じる新井は、闇サイトを見るようになっていた。 一方、自殺があった部屋で玲児は遺書を見つける。 そこには父が統べる宗教団体のマークが。
玲児の出生がついに明かされる怒涛の最終巻!! |
作者のその他の漫画 |
ホットマン
19〈nineteen〉 |
感想 |
読んだ後、がっくりきた。
最初からのストーリーの流れと、終わり方がどうも合っていない気がする。
誰が主人公かもいまいちわかりにくいし、
自然の脅威での終わらせ方が安易。
今までのデス・スウィーパーの仕事内容や、
自殺者についてリアルに受け止めようだとか、
まったく関係ないエンディング。
作者の意図がまったくわからない。
途中までは面白かったのに、
ブルーバタフライ・フィッシュと同じような結末にしかならなかったのが残念。
“おくりびと”で納棺師が脚光を浴びている今、
遺品整理やエンバーマーなどの仕事の内容を知る意味で読むのには良いかも。 |