タイトル |
岳 |
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作者名 |
石塚真一 |
出版社 |
小学館 ビッグコミックス |
既刊数 |
1〜13巻 |
個人的おすすめ度 |
★★★★ |
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1巻 初版 2005年06月01日
ネパール、北南米、ヨーロッパ・・・ 世界中の巨峰を登り歩き、高度な山岳技術と山の素晴らしさと、 事故の悲劇を知る男、島崎三歩。 日本アルプスに戻った彼の前で起きる悲惨な事故の数々。
今、三歩の三歩だけの山岳救助が始まる。
山に登る理由は人それぞれ。様々な人間模様がある。
外国帰りの三歩は、住所を持たず、山の中で暮らしている。
登山者の遭難を救助するボランティアをしながら。
長野県にある北部警察署には山岳遭難救助隊があり、
そこには三歩の先輩である野田が勤務していた。
そして新人の椎名久美。
久美はまだ山の恐ろしさを知らず、頼りない三歩に対しても不信感を持っていた。
しかし、トレーニング、実践を重ねるうちに、三歩の的確な山岳技術と知識に気付く。
そして、警察が動けない悪天候での救助に向かう三歩だが、
遭難者を発見した時にはすでに死亡。
そして遺族に「おまえのせいだ。土下座しろ。」と殴られる。
土下座して謝る三歩の姿を見て、久美は憤りを感じる。 |
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2巻 初版 2006年11月01日
山は危険。一歩間違えれば死。
それでも人は山に登る。
三歩は山を愛する人を心から歓迎するが、現実は厳しい条件下での救助の日々。
助けられるか助けられないか。
三歩は遭難者の無事を祈りながら救助に向かう。 |
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3巻 初版 2007年02月01日
北部警察署の山岳遭難救助隊チーフの野田は妹の結婚式に出席する予定だった。
しかし、救助の要請が入り、出動する事に。
救援を求めたのは、雪面を軽装備で歩き滑った人間だった。
「よくがんばった」と声をかける三歩や野田だが、久美は怒る。
「街と山の区別もつかないのですか?
アイゼンなしで雪の上を歩けば滑って当然です。
救助隊はタクシーじゃないのですよ。山は一歩間違えば命を落とす場所。
反省してください。」
そして久美の怒りの様子を見て気遣う三歩だが、
そんな三歩にも「遭難者に甘すぎる。無責任だ。」と詰め寄る久美。
そして久美は帰りの下山中に事故にあってしまう。 |
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4巻 初版 2007年05月02日
男子学生2名のパーティーの内、1名が滑落遭難したと県警に連絡が入る。
県警のヘリが現場に向かおうとするが強風のため引き返す。
三歩だけが現場に向かうが・・・途中で別の遭難救助の連絡が入る。
三歩のいる位置・・・遭難の起きたキレットまで到着していたが、
2つの遭難事故は三歩からはほぼ等距離だった。
キレット北端では頚椎を損傷して首から下の感覚がない男子学生。
キレット南端では意識不明の中年女性。
久美は野田に「両方の救助を三歩さんに任せるのか?」と問うが、
野田の答えは「助かるとしても1人。それは現場にいる三歩が決める事だ。」だった。
三歩はどちらの現場に向かうのか?
そして、どちらに向かうか決めた理由は?
後にまわされた現場では遭難者は死亡。
そして、生存者は三歩に「なぜこちらを後にしたんだ?」と詰め寄る。
三歩は理由を話し始める。 |
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5巻 初版 2007年10月03日
久美は休日には街に出る事を楽しみにしていた。
救助では人の死を目の当たりにし、精神的にも疲れを感じていた。
自分よりも救助にずっと携わっている三歩の事がふと心配になり、
三歩を街に誘うが・・・
久美が救助に向かった先には重傷を負っていたが意識のある人間がいた。
「私が担いで降ろします!」
そう言い、救助の準備をしていたが、ふと気付くともうその人間の意識はなく・・・
脈も止まっていた。
遺体を雪渓上に落とすように指示するヘリコプター操縦士の牧だが、
久美は、たった今まで息をしていた人間の死を受け入れられずに担いで降りようとする。
そこへ三歩が現れ、代わりに担いでもらえると望んでいた久美の目の前で、
遺体を雪渓上に落とす。
久美は納得が出来ずに、山荘に到着した途端、山荘のおばちゃんにすがって泣く。
そして三歩に自分の考えを伝え、「間違っていますか?」と問う。 |
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6巻 初版 2008年02月04日
道に迷った登山者から県警に救助の要請が入る。
登山者は自分が動けるのに救助の電話をした事がひっかかっていた。
ヘリが飛び、たくさんの救助の明かりを見て、
「自分は大変な事をしてしまったのでは?」と焦る遭難者。
テントの中で温かいラーメンを食べ、シュラフにくるまり、
救助を求めた事と不安の気持ちで葛藤していた。
そこに三歩が現れる。
何十人もの救助隊員に迎えられ、謝る遭難者に、三歩は声をかける。
その言葉とは? |
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7巻 初版 2008年07月05日
三歩は吹雪の中、凍死した遭難者を見つけた。
吹雪で悪天候の中、テントも持たずに救助に向かっていた三歩は、
遺体のそばで3日間、天候が回復するのを待っていた。
遭難者の父親は救助隊を責める。
「発見から3日間も山に置いておいて何が山岳救助隊だ!」
救助への無理解による心ない罵倒に、チーフの野田は頭を下げるが、
久美は納得できない。
そして、山荘との定期連絡で、三歩が風邪をひいたと聞き、山に向かう。 |
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8巻 初版 2008年12月03日
捜索が途中で打ち切られる事になる。
捜索には規定があり、その規定に沿って打ち切りになる。
その指令を出すのがチーフの野田の役割。
打ち切りについて救助隊の阿久津は疑問に思う。
そして野田隊長がクール過ぎると三歩に問いかけるが、
三歩の答えは「アイツは俺なんかより熱いよ!」だった。 |
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9巻 初版 2009年03月04日
昴エアレスキューに勤める牧は、悪天候でもヘリを飛ばせる操縦士。
無愛想で口数は少ないが、山岳救助にも協力している。
しかし昴エアの会社は経営が芳しくなく、レスキューから手を引くように通達を受けるが、
牧は勝手な判断でレスキューに数回飛んでいた。
しかしついに社長から松本営業所の閉鎖を告げられる。
牧の過去が気になっていた久美は、偶然に過去の事故報告書に牧の名を見つける。
そしてその時の救助隊長に話を聞きに行く。
牧は高校生の時に山岳部のリーダーをしていた。
そして仲間の1人が滑落し、救助を求めるが、結局仲間は見つけられなかった。
雪山のため、捜索は春まで打ち切られるが、牧は1人で捜索し続けていた。
牧は山を離れる事ができないが、
昴エアの松本撤退、そして本社への転勤を言い渡され悩む。
そこへ三歩から救助の要請が入る。
「レスキューから撤退した」と断る牧だが・・・? |
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10巻 初版 2009年09月02日
阿久津はいまだに救助隊員である自覚が足りなかった。
しかし、現実に人の死を目の当たりにし、自分自身どうしてよいかわからなかった。
せっかくスズと付き合い始められたのに、家事の分担を守らずに、ゲームに没頭。
そしてスズとの間にも壁ができてしまう。
三歩の気楽な言葉に救われたりしているが・・・
阿久津は救助隊員を辞める事を考えていた。
そんな時に遭難者を発見。
阿久津は・・・? |
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11巻 |
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12巻 |
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13巻 |
感想 |
三歩の人間性や、周囲の人間関係などにはほとんどスポットライトをあてずに、
山岳救助についてのストーリーを1話完結のように淡々と漫画が続く。
山岳救助の大変さ、死と向き合う恐怖など、考えさせられる漫画。
グロテスクではないが、人間の肉体がボロボロの絵もあるので、
食事中には読まないように! |
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